9月にプレミアムシアターで放送された歌劇『さまよえるオランダ人』。録画していたので見ました。その前に見た『カプリッチョ』がストーリーの置き替え時代を20世紀後半に設定されていて違和感を感じたのけど、この『さまよえるオランダ人』はNHKのHPの写真を見て「もっと酷いなぁ!」と思ってましたが、本当に酷い。
最初に母親とその息子らしい子供を連れて出てきて、母親がその子供の前で自殺する。その子供が後の『さまよえるオランダ人』らしいです。舞台は港町ではなく、小さな町の居酒屋。ここで船員が酒を飲んで、そこに人付き合いが悪そうな無愛想な男が現れ、その男が『さまよえるオランダ人』。船は全く出てこない。この1幕、「よく辛抱して見たな」と思ってしまいます。この歌劇、合唱の人はテーブルやイスを自分で持って出て来ます。去る時は持って去ります。2幕は村の娘たちが糸を紡ぐながら歌う場面を想像してたけど、糸紡ぎ機など有りゃしない。でも2幕に入ってゼンタ役のアスミク・グリゴリアンの歌を聴くと俄然と印象が良くなって物語に入っていけました。
でも3幕になってまた冷や水を浴びせられた様な感じ。『さまよえるオランダ人』が町の人をピストルで殺したり、ゼンタの母親がライフルで『さまよえるオランダ人』を殺したり。だから最期はゼンダはイスに倒れ込んで終わります。ゼンタの母親は普通は乳母だけど、このオペラでは『ゼンタの父親の妻』の設定だから『母親』という設定です。
指揮者のオクサーナ・リーニフさんは最期のカーテンコールで少し映っただけ。だから知らなかったけど女性でした。『バイロイト音楽祭で女性の指揮者の登場は史上初』との事。
私的には気に入りましたけど、それは音楽が素晴らしかったから。演出は最悪と思います。皆で酒をのみ食事をするシーン。酒は紙コップに見えるし、料理はプラスチックのタッパに入ってるし・・・。
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